ゼルダの伝説・スカイウォードソード 感想

各ゲームサイトでのレビューが「シリーズ最高傑作」という扱いだったのでどんなものかと期待していたがなんのことはない、Wiiリモコンを使った昔ながらのゼルダだった。
変わらない、というか心配になるほど変わっていないゼルダトワプリからスカイウォードがでるまでの5年間は、ビデオゲームにとって激動の時代だったと思うが、ゼルダはまるでコールドスリープしていたかのように、昔の姿のまま。
10数年前の「時のオカリナ」から何か成長したのか、僕にはわからない。Wiiリモコンという玩具をもらって、ちょっと遊び方が変わっただけだ。


で、新要素のWiiリモコンだが、面白いアイデアだけど、シビアなコントロールには向いていないというのが僕の感想。縦横斜めの全8方位からの攻撃が可能だけど、僕にはコントロールしきれない。途中からは面倒になってwiiコンを何も考えずブンブン振ってるだけだった。(あ、あと突きもあった)
せめて縦横の4方位だけなら何とかなったと思う。斜め切りがあることでの失敗に何度泣かされたかわからない。。でも斜め切をさせたい気持ちもよくわかるので複雑なところ。
それ以外のアクションでよかったと思ったのは、ダッシュの追加。とくに坂道を登るときのダッシュの気持ちよさは格別だった。ゼルダはもっとこのダッシュのように「体感度」の高い要素を追加、洗練させていくべきだと思う。妙な道具が多過ぎる。


それ以外は不満になるけど苦笑、最悪だと思ったのはシナリオというか時間演出の構成力のなさ。基本、「街→空フィールド→地上フィールド→ダンジョン」だけど、各パートの尺とその列なりを意識していないのでは、と思えた。
とくに地上フィールドパートは酷いと思う。時オカ、トワプリのようなシームレスフィールド(厳密に言うと違うけど、そのように見せているという意味で)ではなく、それぞれ独立したフィールドになったせいか、フィールドにもかかわらずダンジョンのようにパズル要素が妙に高い。でもダンジョンほど完成度は高くない。そんなフィールドを数時間かけて探索させられて、ようやくダンジョンにたどり着き、またダンジョンのパズルである。。
スカイウォードで一番欠けているのは、「間」だと思う。修学旅行で言うところの自由時間。ゼルダチームは、全パートにゲーム(スケジュール)を盛り込んどけば満足するとでも思っているのだろうか?
またパズルだけに飽き足らず、やたら多い「探し物ゲーム」。この手のミニゲーム的要素は過去の遺産となったものだと思っていたので、心底参った。。


救いはダンジョンのクオリティの高さ。ここはさすが手堅いなと思った。でも正直、ゼルダと他のゲームを比較したときに唯一勝っているこのダンジョンパートも、すでに時代遅れと感じたのが正直なところ。
とりあえずゼルダのダンジョンが最高だと思う人は、『Portal』を遊んでほしい。スゴイので。


ゼルダを一言で表すなら、『記号』だと思う。ゲームのレベルデザインにおいて、「自然さ・必然性」が強く求められる昨今、ゼルダはそれとは真逆の事をやっていると思う。僕の好みもどちらかというと「自然さ・必然性」なので、『記号』のゼルダとはそもそも相性が悪いのかもしれない。(記号にするなら風のタクトやスカイウォードのアートスタイルはなんなんだよ、と思うが)
でも、僕の好み関係なく、ゼルダは動脈硬化を起こして、もう前へ進めなくなっていると感じる。