ぼくのなつやすみ4、感想 (8/31)

ぼくなつシリーズの魅力は、「安定感」だと思っている。
ファンなら間違いなく満足できる完成度に仕上げてくるミレニアムキッチンの仕事ぷり!
「4」はちょっとチャレンジしているようだったが、相変わらずの「安定感」で大満足。
8.5/10点くらい、かなり面白かった。
シリーズで比較すると、1>4>3>2という感じ。


シナリオ

  • 前作までは、主人公と親戚家族の関係がメインで近所の人たちはその他扱いだったが、4は「親戚」「近所の住人」「子供たち」ひっくるめて、「家族」もしくは「仲間」という感じで描かれている。他人がまったく出てこない。(75号だけちょっと離れてる感じがあるけど)
  • でも、これが上手くいっているかというと、少し微妙。イベント毎に仲間意識や団結を強調してくるので、無理やりだなーと感じてしまう。
  • ぼくなつのゲームデザインは、さっぱりした人間関係を描くのに適していると個人的には思っている。
  • ぼくなつのメインテーマは、「夏休みの思い出」の最大公約数を表現することにあると思うんだけど、4はそこに拘っていないというか、夏から連想されるイベントを可能な限り盛り込んでいる印象がある。「夏」というテーマでテーマパークを作った感じ。
  • 大人数の家族の物語でテーマパーク化ということで、これまでのシリーズよりテンションが高く元気のある作品に仕上がっていると思う。


ゲームメイン

  • 僕は「のんびり」でプレイしていたが、ちょっとのんびり過ぎたかも。夕方までにマップ全域を回るのは難しい、くらいのバランスのほうが好み。たぶん「ふつう」が丁度良い。
  • 自室にもどらずにどこでも寝れる仕様なので、夜の短い時間を使った探検の緊張感が薄い。
  • 一日のイベントの情報源がほぼマメの占い頼りというのはいただけない。
  • 夏バテメーターや時計が常に表示されるようになったのは賛否ありそうだが、僕はどちらかというと肯定的。制限時間内に何をするかが重要な「ぼくなつ」にとって、時計を常時表示するのはありだろう。
  • ただ、夏バテという仕様は疑問。駄菓子屋での買い物や釣りをさせるためのものだと思うんだけど、それだけという感じで、ならいらないんじゃないと思ってしまう。体調を気にしながら夏を全力で遊ぶ子供なんかいないと思うし。
  • これら「4」から導入された仕様は、悪くはないのだけど、問題の解決というよりは応急処置的な印象がありもう1歩踏み込んだアイデアがあればな〜、と贅沢を言いたくなる。
  • マップ・移動に関しては、近道・裏道がたくさん配置されていてかなり良い。
  • 僕は3Dゲームのサードパーソンビューが好きではないので、こういったレイアウトのかっちり決まったゲームは、なんだかほっとする。
  • 水中パートは、4に限らず、ぼくなつクオリティではないと思う。小学生が大海原でここまで自由自在に泳げてしまっていいのだろうか?
  • メダルシステムは良いと思うんだけど、メダルの評価を登場人物に指摘されるパートはちょっとないと思う。やりこみ要素なんて、ゲームの根幹に関わらないから良いのであって、「プレイヤの思うように夏休みを自由に楽しむ」というゲームデザインとの親和性も低い。
  • エンディングの「将来」がメダルによって変化する程度なら、ありだと思うけど。
  • 一部の台詞に音声が付かなくなったのは残念。


キャラクター

  • 漫画姉が光っていた。アニメオタクという子供な部分と「化粧を覚えてきれいになった」発言などにみられる大人な部分のアンバランスな感じが色っぽい。主人公と歳が離れているのも良い。
  • マメや小百合さんはぼくなつっぽいな〜って感じ。マメは面白いが、小百合さんは昭和の日本映画って感じで、ちょっと苦手。。
  • 妹の扱いは物足りなく感じる、31日まで居れば面白かったんだけど。


ミニゲーム

  • 太鼓の激難度は・・・、3のアルプス一万弱を思い出す。
  • 虫相撲の仕様が大幅に変更されていて、注力しすぎなんじゃないかというくらい作りこんでる印象。
  • プレイ時間も虫相撲の占める割合が長く、ちょっとバランスが悪いと感じる。
  • ゲームメインに影響が出ない程度のものならほっとくところなんだけど、大会で負けたりすると屈辱的なことを言われるし、隠しステージへの道も開かれないので頑張って戦うしかなくなる。
  • 虫のレベル上げはRPGがそうであるように作業的になりがちで、ただただしんどい。甲虫がほとんど取れない仕様なので、強い虫採ってきて逆転というわけにいかないのも辛い。


ビジュアル

  • PSPって意外に良い、画面サイズに対して高解像度なのでかなり綺麗にみえる。キャラモーションも少しパワーアップしてる。